毎度ど~も!
あたりです♡♥
唐突ですが、今回また番外編をお届けしま~す♫~♡♥
先日、ハゲのタナカセンセェと事務所で打ち合わせがあったんです。
覚悟はしてたけど、例によってつまらないお話を超長時間にわたってえんえん聞かされました(◞‸◟)
もし、こいつがウイルス感染者だったらかんぺきにやばいと思いながら…
も~、ホンットにつまらないお話だったんだけど、ハゲがぜひみなさまにもお聞かせしたいって言うの!(◎_◎;)
というわけで、ハイど~ぞ~…
【タナカの供述録】
え~っとさ、数日前センバツ高校野球が中止っつう当事者のみなさんにはとても気の毒な事態が起こっちまったじゃん。
その話とは直接関係ないんだけど、実はオレ、「ギャンブルレーサー」の連載終了した後 、高校野球をネタにした漫画を描いてたことがあんのよ。
商売的にはコケちゃったから知らない人も多いかもしれないけどさ。
それで、ふとその頃のこと思い出しちまったんだけど、今にして思うと実にいい加減な流れで新作立ち上がってたんだよね。
と同時に、ちょっと大げさだけど、人生ってどう転がっていくかわかんねえもんだなあ…とも感じたの。
内容的には本当にバカバカしい話で、今の時期的にはちょっと不謹慎かもしれないけどみなさまの暇つぶしにでもなればと思ってさ…
え~っと、「ギャンブルレーサー」終了したのが2006年なので、今から14年くらい前のことかな。
なんの用事だったか覚えてないけど、ある日ふらっと西武園に顔だしたの。
そしたら、偶然入り口のところに仕事中の、西武園クラブOB、築地(孝修/29期)さんがいて、ちょっと世間話かなんかしてたのよ。
築地さんってのは何回か前、このブログにも名前が登場した面白おかしいおじさんね。
早とちりで、せっかちで、お人好しで世話好きな人でもあるかな。
んで、そのうちこんな話になったんだ…
「マコっちゃん、連載終わって次どんなの描くんだ?」
まだ何も考えてない時だったので、
「いや~まだ全然…編集者には、野球とか相撲とかバレーとか、何か他のスポーツ漫画はどうだ…って言われてんすけど自分としては…」
…って、こっちがしゃべり始めたら、築地さんいきなり懐から携帯取り出してどこかに電話かけ始めたの。
オレはもちろん「?」
そしたら、いきなりこんなこと言い出してんのよ…
「オイ、これからタナカが野球漫画描くって言うから、お前今すぐ来い!」
(ちょ、ちょっと待ってくれ!オレがいつ、そんなこと言った~⁉︎)
人の話を最後まで聞かずに勝手に誰かを呼び出しちゃってさ…
ほんでやってきたのが、同じく西武園クラブOBで47期の西村廣政さん。
この方、名門、日大三高野球部出身とのこと。
おそらく「野球のことなら、こいつに聞け」ってことだったんだろうけど、オレはまだ、何をを描くのかなんて考えてもいなかったし、そもそも一言も言ってねえんだからさ…
ほんでも、西村さんだってせっかく来てくれたんだからと思って適当に話合わせておしゃべりしてたの…
そしたら今度はその西村さんが突然…
「ウッシ!今度、三高行くぞ!」
って言いだして、今度はオレが日大三高連れて行かれることになっちゃって。
言っとくけどオレは一言もそんなこと頼んでないんだからね…
(困っちゃったなあ~、も~。どういう展開だよ、これ…)
で、日を改めて日大三高野球部合宿所に…
(ホントにこれが高校の野球部施設か~⁉︎)
と、素直にビックリしちまったんだけど、それは置いといて、そこで、またさらにビックリすることが起こっちまってさ…
当時の理事さんだとか監督さんを紹介されたんだけど、なんと西村さんが、またとんでもないこと言い放ったのよ…
「こいつが今度日大三高野球部の漫画を描くから!」
…あのさあ…
なんども繰り返すけど、いつオレがそんなこと言ったよ…(涙)
でね、それからまた、当時の野球部OB会会長さんで、その後、三高の理事もお務めになる定蛇正則さんって方を紹介されたの。
(じょうじゃ)という珍しい名字で、元巨人の江川卓さん、輪界では35期OB中野浩一さんと同学年。
野球のライン的に言うと、故・根本陸夫(プロ野球指導者等)さん―故・小枝守(学生野球指導者等)さん―定蛇さん…みたいな流れの方。
入部時、先輩に、名前の読み方がわからねえという実に正当な理由で真っ先に殴られた(もちろんウソ?ですよ)というこれまた珍しいエピソードをお持ちの方でもあんのね。
ちなみにオレ、この定蛇さんにはこの後、特にプライベートの部分で大変お世話になるようになって、今なお、お世話になっちゃているんだから人生本当にわからないんだけど、それもまた置いといて、でさ、その時色々お話伺ってたら、また始まったの…
「オッシ、センセェ!おれん家に来い!」
(はいはい、わかりました!も~地獄でもどこでも、地の果てまでも…)
それにしてもスポーツ系の人たちっていうのは、ど~してこう行動が極端に素早いんだろう…
やはり、若かりし頃の先輩後輩関係、
「うお~い、集合~!」といった、あの特殊な世界での習慣からなのかね???
でまあ、ここからちょっと話は横にそれるけど、定蛇さんには、いろんなことを教えていただいたのよ。
野球に関する技術的な話や、アマ球界の歴史、現状…
選手や関係者の面白話から、スキャンダラス的なものまで。
甲子園に行ってさらに勝ち抜くためには、日大三高以外の全国の学校は、こんな悪いことばっかしてんだぜ…(ウソ)
みたいなこともいっぱい。
あくまでも日大三高以外の学校のことだからね。(もちろんウソ…じゃなくてこれはホントか汗汗汗)
こう言っちゃなんだけど、よくまあそこまでワル知恵働かせられるもんだって本当に関心しちまってさ…(これもウソ)
日大三高以外の学校は…(だから、これはホントね汗汗汗)
【※注 このあたりは冗談ですので真に受けないようお願い申し上げます】
実は、本当に凄まじいと思ったのは、個々の学校や選手云々じゃなくて、あの世界というか環境の方。
高校野球に関わる団体や組織、一部の指導者や学校関係者…
各メデイアや、父兄、もちろんオレみたいな物書きの輩も含めて…
そうそう、あと、本当にこんなもの部外者に見せちゃっていいの?
って感じの資料とかを見せてもらえたりもしてね。
高校野球を批判したい人にとっては最高に楽しいものだったかも。
オレ、元々は高校野球って結構好きな方だったんだけど、いろいろ話を伺っているうちに、それこそどんどん高校野球を嫌いになれていったもんね…
野球に比べりゃ競輪の方がよっぽど健全だと思えたぐらいでさ…
でもさ、なんでよからぬ事などをいろいろオレに教えてくれたのかっつうと、それをきっと否定しているからなんだよね。
定蛇さん、こんなセリフを口にすることが度々あったもん。
「甲子園大会なんかないほうがいい」
日大三高野球部重鎮の方の発言だからとても重く感じちゃったね…
(※もちろん今現在の状況の中での発言じゃないよ)
それから、こんなセリフも…
「高校野球を特別扱いするな」「大々的なテレビ中継もいらない」
さんざん悪いことを教えてくれた人ではあるんだけど、横から選手たちとの接し方や関わり方を眺めていると、野球の結果よりも人間教育の方に重きを置いているように確かに感じられたしさ…
エピソードはあえて書かないけど、定蛇さん家に卒業した子たちが結構来てたもんね。
プロに行くような子たちより、思いを遂げられなかった子たちの方をより大切にしていた感じだったし…
さて、それでも、野球ってのは、ものすごく複雑で想像以上に奥の深い世界だってことは改めて知ることができたかな。
こっちの方でも、競輪の方がよっぽど簡単かもって思えたくらい…
例えば、定蛇さんの解説付きで試合を見学している時なんて、最初の頃は、この人の頭の中どうなってるんだろうって思ったもんね…
だって試合中にさ…
「おいセンセェ、ピッチャーは初球ここに投げて、二球目はここな…バッターはこういう狙いでいるからその次の3球目を打って、打球はどこそこに行くな…出塁できたら次のバッターはこれこれこうだから、ピッチャーの初球はこうなって…」
「次のイニングで、向こうの狙いはこれこれ…こっちは、こう考えてるから、こういう風なパターンになって、そうなると今度はこうなるから、○点入る…そうなりゃこういう流れになって、○回はこうなって、最終的にこうなる…うん、今日はこっちの負けだ!」
これから始まる出来事を、こんな感じで話すのよ。
競輪の予想じゃあるまいし…と思いながらグラウンドの方に目をやると、な、なんと、ほぼそんな展開になっちゃたりしてさ…
本当にびっくりしたけど、同時に
(なるほど高校野球とはいえ、トップクラスの学校同士の対戦ってのは一球一球すべてが理詰めで行われているんだ。
その場その場の思いつきで投げて打つってレベルだと予測なんかできるわけないんだろうけど、すべてのプレイが理論、計算に基づいて行われているから、ゆえに、ああいう風に予測をしながらゲームを見ることができるのかも…)
って気づいたの。
(こりゃあ、ものすごい世界じゃん!)
そんなわけで高校野球が次回作のテーマとして面白いかもって思えてきてね。
まっ、そんな感じの流れになったんで、こりゃもう野球漫画を描くしかないなってことで始めたのが「実録!関東昭和軍」という作品。
(もちろん日大三高野球部の漫画でもなければ現実の高校野球とはなんの関係もない漫画ですよ)
ついでだから話しちゃうけど、連載が始まったあと読者からのハガキで結構多くて印象的だったのが、
「この漫画は高校野球のダーテイーな部分を、ことさら大げさに描いている!」
「一の事実を十くらいに盛って、悪意を持って描いている!」
それからお決まりの
「訴えるぞ!」
「も~時効」ってわけでもないんだけど、それ、オレからすると逆でさ。
(十の事実を一くらいに落とさないと、とてもじゃないけど描けやしねえ)
それが、当時のオレの心境。
もちろんギャグ漫画だから、ギャグの部分はあり得ないことも連発したけどね。
まっ、そんな感じの、築地さんの早とちり電話から始まった、実にいい加減な流れで新作が誕生したって話なんだけどさ。
ただ、最初にも触れたように、作品自体は不発に終わったけど、これをきっかけに日大三高野球部OB会会長さんだった定蛇さんに、その後ず~と何かとお世話になる間柄になれちゃったからね。
これもエピソードは省略するけど、特に精神的な部分で本当に支えていただいたかな。
以前、競輪選手OB、桜井久昭(28期)さんとのエピソードで、選手でもなんでもないオレを選手仲間のように接してくれて感激したって話をしたけど、定蛇さんも同じなの。
野球選手でもなければ三高の後輩ってわけでもないオレのことを本当に気にかけてしょっちゅう声をかけてくださってさ。
悩みを抱えるたびにいろいろなアドバイスをいただけてどれだけ救われたか…
人生って本当に何が起こるかわからないし、どういう出会いが待っているのかわからないって本当に感じたね。
だから、ひょっとしたら、辛いことや悲しいことが続いている時でも、しばらくはその時の流れにそのまま身を任せてみるってのも有りなのかもって思ったりもしてさ…
オレにとっては競輪界での恩人が桜井さん。
野球界?
…っていうより悪いことをたくさん教えてくれた恩人?が定蛇さん。
だから、早とちりしてくれた築地さんには本当感謝してるの。
あっ、そうそう、最後にあと一つ!
今回のウイルス騒動では、センバツ大会の開催是非で大騒ぎになってたけど、オレが「ふ~ん」と思ったのは「高校野球は特別なもの。スポーツという枠を越えた社会的行事。野球や部活というジャンルを越えるような大きく特別なイベント…」ってなことが書かれている論評を見つけたとき。
定蛇さんなら、どんな風な感想持つか、オレにはなんとなく想像つくな…
それにしても、タナカのハゲって、ろくでもないマンガしか描いてこなかったのね!(◎_◎;)
何を描いても女性読者はほぼゼロだったって話、めっちゃわかりますΣ(-᷅_-᷄๑)