75話 峠 祐介『至難の峠ごえ?』

年があけてからウイルス陽性者数がまたどんどんふえています。
昨年末は「峠はこえたかも」って、ちょっぴりホッとしてたのに…

峠祐介

峠祐介

尊敬しろよ!

あたり!
おまえ、峠に対して尊敬の念ちゃんと持ってんのか?

新井や白岩は十分すぎるくらいわかっているけど、特別競輪を走るってえのは大変なことなんだ。
努力と根性だけで到達できない別次元の世界と言ったっていい。

選手にとって最大の勲章は現役を長く務めること!
そして夢、名誉は、記念、特別を走ること!

峠は、見事にそれらを果たしてここまで来てんだ。
峠を超えるのは、なかなか至難の業だぞ。

とはいえ、その峠だってオレには足元にも及ばねえんだけどな。

「特別の優出9回!」

マンガやドラマの話と違って、現実世界で優出9回ってのはもう神の領域!
とんでもねえくらい難業なんだからよ!

おい、白岩!
新井!
そうだろ?

お、おっしゃる通りです

特別競輪の「特選」「決勝」を走るクラスは冗談抜きに神、奇跡の領域ですね

でも、人格はきっと別ですよね?
センセェみてると
ど~しても…

これは絶対的にオフレコ
ここだけの話だぞ

タイトル取ったヤツに人格者ってのはまずいねえからよ!
しかも取った数に比例して人間性ってのはどんどん悪くなってたかな!

はいはい
そ~でしょ~ね!

新井剛央

いつも安心してマークできました

峠さんは、永らくS級のトップレーサーとして特別競輪などでも活躍されていました。

当時は徹底先行で、ペースを掴んだレースは、後ろにも抜かれないとても強い先行を何度もみたことがあります。
自分も何度か峠さんに連れて行ってもらったりして、1着も取らせてもらっています。

レースの流れを殺すことなく、ここぞのタイミングで仕掛けてくれるので、番手を回るにしても付きやすく、後ろも牽制しやすいすごい先行選手でした。

恩返しできたらいいな

最近は、さすがに先行はあまりなく、番手を回ることのほうが多くなりましたが、伊藤公人さんのところに自ら練習に行き、並走の練習などをしてレースで目標がない時は競りに行くなど、徹底先行のときのイメージからは考えられないようなレースもします。

自分も普段は人の後ろを回ることのほうが多いですが、峠さんと同乗して目標がない場合は、恩返しの意味も含めて峠さんに任されるようなレースをしたいと思います。


白岩大助

偉大な先輩

峠祐介選手は副支部長の言うように、とにかくグレードレースでも活躍していた偉大な先行選手というイメージが強くあります。

当時、私も先行選手としてレースを組み立てていましたが、峠さんのレースを何度も見たり、本人に先行選手としての心構えやペース配分などの走り方、色々教えてもらいました。

私や副支部長、そして同年代の選手にとって憧れの先行選手だったのではないでしょうか。

普段とても温厚な性格の持ち主ですが、他の徹底先行タイプ選手とのレースになった時はめちゃくちゃ魂のこもった熱い走りを何度も目の前で観させて頂き、強く刺激を受けた事が何度もありました。

すっごいひと言!

峠さんのエピソードとして特に印象に残っている出来事があります。

それは自転車競技の全プロ大会に繋がる、関東の地区プロ大会での出来事。
一緒に4km団体追い抜き(チームパシュート)という種目に出場しました。

私は以前からその種目をずっと走っていて、その年は初めて峠さんが加わりました。
4人で並んで走るこの種目、ゴール時に3人目のゴールタイムを争います。
4人全員でゴールする必要もないので、途中で機関車役として1人がペースを上げて千切れてしまう事が多くあります。

その時の体調もあるので、機関車役じゃない選手が千切れてしまうトラブルもよくあります。

私が峠さんに

「千切れそうだったら無理してペース上げないで大丈夫ですよ!」

と言ったら

「大丈夫、俺千切れないから!」

その瞬間、白岩の脳みそに稲妻が落ちました!

『何この人、超かっけぇぇ!!』

私は埼玉で誰よりもこの種目を走って来たと思いますが「俺千切れないから!」なんて1度も言った事ありません。
そして他に聞いた事もありません。
そして実際、何度か一緒にこの種目を走らせてもらいましたが確かに1度も千切れた事はありませんでした(笑)

とにかく凄い先輩なんです!

うわ~
ホントかっこい~~~!!!

こんど峠さんの姿おみかけするとき
ドキドキしちゃうかも♡♥♡♥

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